以前にもカーインプで記したことだけど、
人間の進化以上に、『進化しなきゃ・・・』という強迫観念によって
デザインが進化してしまうことに、違和感を感じることが最近多い。
僕が考える、最先端も融合した、人間とのベストバランスの時代って、
1988年とか1989年、昭和から平成あたり。
そこくらいなんです。
プレリュードやシルビア、セフィーロあたりが登場してきた時代。
その時代のR31や32スカイラインなんて、趣向が違うけれど、
今、新車で登場しても綺麗だろうなと。デザイン的にも、フォルム的にも。
中身、技術的な進化は構わないけれど、
デザインが進化し過ぎていることで、
使いにくかったり・・・違和感を感じたり。
3ドアハッチバックの車、ほんと少なくなったよなー。
『街の遊撃手』のジェミニなんて、すごくよかった。
スクエアなデザインで、室内空間も、今の5ドアよりも広く感じられた。
まあ、ここからは少し進化させて、
ちょっと落書きしてみた。
イメージするなら、シンプルなこんな3ドアハッチバックに乗りたい。
後部座席もラゲッジスペースもちゃーんとあって、
また、後ろの窓が、無理に上がり込まないヒップライン。
グラスエリアも広くて、視界が良くて・・・
要は奇を衒わないデザインの、実質的に人間が入り込みやすいデザインとフォルム。
その先の意匠は細かくこだわりがあっていいけど、
フォルムや基本デザインで無理してほしくないなと。
そう考えると、今のクルマだとエスクードとか、やっぱり好きでさ。
初代のピアッツァなんかも、スポーツ・・・感が出ていながら、
実はオーソドックスな人間らしい線でできてたと思う。
だってS13シルビアなんて、今、新車で売っても売れるだろうなぁー。
その後の14以降のシルビアは売れなかったけど。
でも、正直当然だと思う。
デザインの進化という大義名分を果たすべく子供っぽくなったり、
エレガンスさとは無縁になったり・・・。
セフィーロだって、初代が一番大人っぽく、センス良かったし、
今の僕なら、あの値段であの車格、チョイスするだろうなって。
バイクも、あの頃ってのが、カッコよかったなと。
だから僕はGPX750R、まさにその時代のに乗ってるわけで。
味がある・・・というかなんというか。
人間ってさ、デザインは一人ひとり、個々違うけれど、
フォルムは一緒じゃん。
そのフォルムに、見合うフォルムってのが、工業製品にもあると思うんだ。
逆に、その頃のカメラって、フォルムもデザインも無理に進化しようとしてて、
面白味はあったけれど、
今の時代になって・・・というか10年ほど前からか、
やはり『カメラらしい』カタチ、デザインになってきている。
だから、どこかで本質に一番近づく時代がある。
それを超えて、無理してデザインが進化しちゃう時代もあったりする。
ただ、大きなものって、それこそ回帰するのが難しいのかなって。
先日、ラジオでも話したけれど、
戦闘機はフォルムもデザインもかなり進化しちゃって、
それは性能が伴うからこそ仕方のないこと。
だけれど、
1986年の映画、トップガン、
大ヒットした。そのトップガン2を製作するにあたり、
適当な機体が今、なかなか見つからないと、トム・クルーズが頭をかしげてる・・・と。
まあ、そうだろうなって。
人間と機械の最先端の映像的対比は
それこそ、F14トムキャットがベストバランスだったのだろう。
やっぱり、ラプターや35ライトニングじゃー、なんか違う。
なんかのっぺり・・・しちゃってる。
どこかで進化は、人間を超えて、デザインですら、
本質とは違う方向に突き進んでしまう。
そんなことを感じてしまった。