一冊の本を読んでいくときに、
その作者の頭の中の、ほんの一部を知ることができる。
その作者がどれだけのことを伝えようとしてくれたのかがわかるし、
どれだけの間違い、間違った認識をしていたかが明白になることがある。
だから、紙に書かれた本の世界に入るときは覚悟がいる。
まあ、覚悟なしに入ってみたら、夢中だったり、
興味津々になったりもする。
よくラジオの世界を目指す人の中に
「伝えたいことがある」なんてことを言う人もいるけど、
それはアーティスト番組で十分。アーティストならね。興味湧く人だって多い。
でも、そうでないならば、
それなら、ラジオではなく、
作家という職業を選んで、思う存分に文字を走らせた方がいいよ!ってな具合だ。
さて、そんな走らされた文字で、僕らは感銘を受けたりもするのだけど、
やっぱり作家さんというか、本を書く人ってのはすごいなと。
最近、衝撃だったのは
飯山陽さんの『イスラムの論理』
へー、そうだったのかー・・・と初めて、しっかりと認識することばかり。
すると、新たな視点で見えてくることもある。
情勢から判断するのではなく、それぞれの思想を知ることも必要で、
そもそも、情勢判断自体が、あくまで自分たちの価値観によってのみしか出来ていない・・・
その上でだったことを痛感。
大学時代に前嶋教授から教わったことが、今になって、より深くわかることにもなった。
ニュースの見出しばかりで、そこから推考するのではなく、
分からないことを、素直に理解してみようとすることは、とにかく大切だなと。
今、見出し情報ばかりで、わかった気になってしまっている危うさが、いたるところにある。
色々な指摘も、見出し情報によってしか理解していない、それこそ、指摘自体が稚拙であったり・・・。
小学生でも教わった
『相手の立場になって』ということ、あまりに忘れかけているのではないだろうか。
見出しだけで判断することは、相手の立場以前の問題。
本を読む・・・それは、相手の立場になる第一歩かもしれない。